Case Studies事例

株式会社ニチレイフーズさま

ダイバーシティ推進部人財開発グループ グループリーダー
金澤健 様
福田裕子 様

スタンダード 6時間ver

ご利用:入社2年次・3年次の社員研修として
テーマ:コミュニケーション

入社後すぐにコロナ禍となり、リアルで会う回数が少ない世代に向けて、コミュニケーションを体験的に学ぶ機会をつくるために、研修として導入されました。

社員同士がリアルで「会う」ときにコミュニケーションを目的とした研修を

――今回、初めてDIDビジネスワークショップを導入していただきました経緯を教えてください。

福田様:「今回の研修は、2019、2020年度入社の2~3年次を対象としました。社員として入社して間もなくコロナ禍となり、会社に慣れるまでの間にリアルで会う回数がもっとも少なかった世代です。この世代のニチレイフーズの社員としてのモチベーションを上げられるようなことができないか、という思いがあり、懇親会のように、ただ『会う』ということだけではなく、共通の目的を定めた研修の機会を設けたいと考えました。

今回、研修を受けた社員は、出張・外出の制限、懇親会などの会合禁止など、対面でのコミュニケーション経験が乏しく、それによって、先輩・後輩間の関係も希薄で、そばについてマネジメントする・されるということにも不慣れです。主体的にコミュニケーションをとれるようになってほしい。また、外に目を向けて、あらたな価値観に気づいて仕事ができるような人材になってほしいという願いや、ダイバーシティ推進部として、名前のとおり、ダイバーシティについての情報にアンテナを張ってほしいという思いがありました。

昨夏ごろから、コロナ禍入社世代のコミュニケーションについては課題となっており、他の企業さんでも、これまで足りなかったコミュニケーションを埋める研修を行っているということが聞こえてきました。そこで、同期と、1年とはいえ代の違う期との縦のコミュニケーションの壁から取り払えないかと考えたときに、私自身が10年ほど前に体験したDIDで、たしかビジネス研修をやっているはずと思い出しました。ダイバーシティ推進部内に提案したところ、実は部内のメンバーのほとんどがDIDを体験したことがあったので、スムーズに話が進みました。」

立ち止まって自分と向き合う時間をもつことができた

――研修での効果はどのようなことを期待されていましたか?

福田様:「今、特に、自分の業務で手いっぱいの2年目3年目の人たちに、立ち止まる機会をつくりたいと考えました。暗闇では頼れる情報が少ないので、目の前にあるもの、聞こえるもの、触れるものに先入観なく向き合う機会となりますね。自分自身とも向き合うことになります。この『向き合う』ということが、今回研修を受けた社員に足りないところでもあります。

日頃の業務が忙しいと、自分と『向き合う』時間をとるのは、なかなかできないことです。自分だけではなく、扱っている商品と『向き合う』、会社と『向き合う』、同期の人をはじめ会社の人と『向き合う』ことも必要です。立ち止まらないと向き合うことはできないので、暗闇は立ち止まるためのいい機会になると思いました。立ち止まる、向き合うといったことは座学では学べるものではなく、経験に優るものはないでしょう。10年たっても覚えている研修だったと、そういう経験にしてほしいと期待しました。」

――実際に研修を受けた様子をご覧になって、いかがでしたか?

金澤様:「日々の業務に忙殺されている中で、日中の間スマホやPCにまったく触れないという機会自体が、まずありません。通常の研修中でも基本的には見ませんが、仕事の急ぎの連絡が入ることはあるので、今回のようにロッカーに閉まって完全に隔離することまではしません。こうして、仕事以外のことに没頭する時間をつくれたこと自体がよかったのではないかと思っています。

暗闇での体験を含めて、ここでの研修の内容は密度の濃いもので、『ここ』に集中するということを実感できたと感じています。通常の電話、メール、一切の雑音を排除して『向き合う1日』になったことでしょう。」

福田様:「通常の研修センターでの研修だと、終わると同時にみんなパソコンを開いて仕事を始めて業務に戻ります。今回のように、終わったあとにそれぞれが話したりしながら、そろって会場を出ていくという姿は見たことがありませんでした。また、ふだんは先輩がいると緊張するようなので、2年目の人たちが『3年目の先輩とこんなにも、意外と仲良くしゃべれるんだなぁ』と言っているのも聞こえてきたのが印象的でした」

金澤様:「これまでの研修はオンラインがメインでした。画面上では何度も顔を合わせていても、社員は全国の支社にいることもあり、対面では初めて会ったということになりました。社内の研修センターに集まるのもいいですが、こうした外部の、しかも非日常の空間だったこともよかったです。

DIDを体験して迎える明日と、体験しなかった明日では、コミュニケーションのとり方が全然違うと思います。」

DIDビジネス研修で得たことは、実際の業務にどのように活かされているか

リアル研修から2ヶ月後、研修の振り返りをオンラインで行いました。その中で発表されたそれぞれの「これからの業務に役立てたいこと」についての発言のなかから一部抜粋してご紹介します。

相手の立場を把握して、コミュニケーション

「仕事で相手の人にお願いすることが多い、そのときに、相手がどれだけ理解しているか、どういう状況かを理解しようとするようになった。仕事の正確性の向上にもつながっているかと思う。」

相手の立場に立って話す

「上長に相談するときに、問題が発生した経緯を話し、どうしていったらいいかを相談できるようになった。」

相手の気持ちになって考える

「上司に対してもお客様に対しても、相手に自分の考えが伝わっているかということを、話した後に確認する。伝える前に、伝えたいことのメモをつくって話すようになった。」


また、今後にどう生かしたいかということについても発言がありました。

「相手に配慮した伝え方を意識する、一つの商品を作るのにもたくさんの人がかかわっていてできていることへの感謝を忘れない。」

「自分の100%を伝えられているかと同じように、相手の100%をくみ取れているのかを意識していきたい。」

「相手の立場に立って プラス 積極的に人と関わっていきたい。自分の部署だけでは得られない情報もあると思うので、たくさんの人からいろいろ話を聞ける関係性を築いていきたい。」

情報交換できる関係性を今後に生かして

オンラインでの振り返りの最後に、福田様からのメッセージがありました。

「今回の研修は貴重な体験となったと思います。『相手の立場に立つ』ということばがたくさん聞こえました。たとえば、相手の個人的なことは考えられていても、部門間で常識が全く違うということが往々にしてあります。私も実感しています。同じチームだと『そうだよね!』と言えることも、別の部門だと『違う!』となることも多いです。この研修を経て、情報交換できる関係性ができたと思うので、2年目・3年目の年次の違いも仕事に活かしてほしいと思います。」